この記事では、日本語の接続助詞の「と」とはなにかについて解説した後その接続助詞の「と」についての問題を出題していきます。なお接続助詞とは、用言や助動詞に接続して、前後の文・文節の関係性を示す助詞の一類のことです。お気になるかたは詳しくは、「接続助詞とは」または「接続助詞の一覧表」に一覧としてまとめていますのでご覧ください。
接続助詞の「と」とは?三省堂 大辞林 第三版の定義
活用語の終止形に接続する。
出典:三省堂 大辞林 第三版 引用:コトバンク
①二つの動作・作用が同時に行われることを表す。 「家にはいる-、プーンといいにおいがしてきた」 「庭に出る-、犬がとんできた」
②同じ主体の動作・作用が引き続いて起こることを表す。 「電車を降りる-、ホームをかけだした」 「机に本を置く-、すぐ出て行った」
③次に起こる動作・作用のきっかけを表す。 「話が始まる-、あたりは静かになった」 「山を見る-、友人のことが思い出される」
④ある条件が備わると、いつも同じことが起こるということを表す。 「夏休みになる-、海は海水浴客でにぎわう」 「猫がいなくなる-、鼠がふえる」
⑤前後の関係が、いわば順当に起こりうるような場合の前件を表す。 「姿を見られる-面倒だから、隠れよう」 「お酒は適量に飲む-いい」
⑥次の発言の前置きを表す。 「はっきり言う-、それは不可能だ」 「この場合です-、お値段が高くなります」
⑦(「う・よう」「まい」などの語に続いて)予想に反する事態が起こることを表す。この逆接の条件を表す用法は現代語ではごく限られた言い方にしか用いられない。 「行こう-行くまい-ぼくの勝手だ」 「なにをしよう-、いいじゃないか」 〔 (1) 格助詞および並立助詞の「と」は上代からの語。「梯立ての倉梯山は嶮しけど妹-登れば嶮しくもあらず/古事記 下」「うちなびく春の柳-我がやどの梅の花-をいかにか別かむ/万葉集 826」 (2) 接続助詞の「と」は中古以降の語。中古には、仮定の逆接条件を表した。「嵐のみ吹くめるやどに花すすき穂に出でたり-かひやなからむ/蜻蛉 上」中世後期から近世へかけて、順接条件を表すものが見られるようになり、現代に及ぶ。「私の留守になる-、酒ばかり飲うで/狂言・吃 虎寛本」「てんがうも事による、重ねてしやる-かか様にいふぞや/浄瑠璃・阿波の鳴門」
辞典の三省堂 大辞林 第三版には、以上のような接続助詞の「と」についての働きが複数定義されています。
ただし、少々長いため要約します。
大辞林の接続助詞「と」の定義を要約
- と(接続助詞)
- 活用語の終止形に接続し、確定の順接や一般条件、仮定の逆接を示す。
接続助詞の「と」の文法・用法は以上です。
続いて、例文を紹介します。
接続助詞「と」を用いた3つの例文
- 桃が川から流れてくると老夫婦は斧で桃を割った。(確定の順接)
- 痛かった場所を見るとどこも怪我をしていなかった。(仮定の逆説)
以上で、接続助詞の「と」とはなにかについての解説は終了です。続いて、接続助詞の「か」についての問題を出題していきます。
接続助詞の「と」について問題を3つ出題
問題1:①、②、③の問題文に含まれる、接続助詞の「と」の数をそれぞれ解答せよ。
①.石を蹴ると飛んでいく。
②.後ろに誰かがいると思うとだれもいなかったと思うと横にいた。
回答
①.石を蹴ると飛んでいく。
②.後ろに誰かがいると思うとだれもいなかったと思うと横にいた。
①. 1つ ②.2つ(備考:その他の「と」は格助詞)
以上、接続助詞の「と」についての問題でした。今回は、1.接続助詞の「と」とはなにか、また2.接続助詞の「と」に関する問題を出題しました。接続助詞の「と」は、他の接続助詞と比較して確定の順接・仮定の逆説を示す要素が多いです。
使い方をしっかり学習することで、お子様へのご教育であれば、文と文の関係性をしっかりとお伝えになれるようになり、すでに大人である場合でも文章や話をわかりやすく簡潔に、魅力的な文章や話を表現されるようになれると思います。最後までご覧頂きありがとうございました!