この記事では、日本語の終助詞の「な」とはなにかについて解説した後その終助詞の「な」についての問題を出題していきます。なお終助詞とは、文の終わりに付いてある気持ちを添える助詞の一類のことです。お気になるかたは詳しくは、「終助詞とは」または「終助詞の一覧表」に一覧としてまとめていますのでご覧ください。
終助詞の「な」とは?三省堂 大辞林 第三版の定義
文末にあって、活用語の終止形や助詞(古くは体言にも)に接続する。①感動や詠嘆の意を表す。 「ずいぶん立派になった-」 「かれぞこの常陸守の婿の少将-/源氏 東屋」 「花の色は移りにけり-/古今 春下」②軽い主張や断定、また念を押す意を表す。 「あやまるなんて、いやだ-」 「確かなことだと思う-」 「あべの大臣、火ねずみの皮衣もていましてかぐや姫に住み給ふと-/竹取」③同意を求め、また、相手の返答を誘う意を表す。 「以前お会いしました-」 「本の代金いくらだか覚えていないか-」④「…ないかな」「…といいな」「…と思うがな」などの形で、軽い願望の意を表す。 「だれか来ないか-」 「早く来るといい-」 「いいと思うが-」⑤「…(て)ください」「…なさい」などに付いて、依頼・勧告の意を表す。 「早く起きてください-」 「勉強なさい-」
出典:三省堂 大辞林 第三版 引用:コトバンク
動詞・助動詞の終止形(ラ行変格活用には連体形)に接続して、強い禁止の意を表す。 「決して油断する-」 「泣く-、泣く-」 「竜の頸くびの玉取りえずは、帰り来く-/竹取」 「我妹子を早み浜風大和なる我松椿吹かざる-ゆめ/万葉集 73」 〔中世・近世には連用形や未然形にも接続することがあった。「ショセンコノ黄金ヲバシャントモトラセラレ-/天草本伊曽保」「万一うせたりとも物いふな。顔も見-/浄瑠璃・宵庚申 中」「さては俺に此の邸へ来こ-との言分ぢやな/歌舞伎・富士見る里」〕
出典:三省堂 大辞林 第三版 引用:コトバンク
〔補助動詞「なさる」の命令の言い方「なさい」を省略したものから。話し言葉でのぞんざいな言い方に用いられる。近世江戸語以降の語〕
出典:三省堂 大辞林 第三版 引用:コトバンク
動詞の連用形またはその撥音便の形、助動詞「せる」「させる」の連用形などに付いて、命令する気持ちを表す。 「さっさと起き-」 「早く入ん-」 「あの人に持たせ-」
〔上代語〕動詞および一部の助動詞の未然形に接続する。①話し手の希望や決意、また、聞き手に対する勧誘を表す。…したいな。…しようよ。 「熟田津にきたつに舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出で-/万葉集 8」 「馬並なめていざ野に行か-萩の花見に/万葉集 2103」 「秋の田の穂向きの寄れる片寄りに君に寄りな-言痛こちたくありとも/万葉集 114」②聞き手の行為に対する期待・願望を表す。…してほしい。 「この御足跡みあと八万やよろず光を放ち出だし諸々もろもろ救ひ済わたしたまは-救ひたまは-/仏足石歌」
出典:三省堂 大辞林 第三版 引用:コトバンク
辞典の三省堂 大辞林 第三版には、以上のような終助詞の「な」についての働きが複数定義されています。
ただし、少々長いため要約します。
大辞林の終助詞「な」の定義を要約
- な(終助詞)
- 文末のいろいろな語について、自他に禁止・独言・詠嘆・願望・返答などの意を添える。※地域別で「ね=な」と同意。
終助詞の「な」の文法・用法は以上です。
続いて、例文を紹介します。
終助詞「な」を用いた3つの例文
- 動くな(禁止)
- 桃でも川から流れてこないかな(願望)
- 今日はこんばんはですな(返答)
以上で、終助詞の「な」とはなにかについての解説は終了です。続いて、終助詞の「な」についての問題を出題していきます。
終助詞の「な」について問題を3つ出題
問題1:①、②、③の問題文に含まれる、終助詞の「な」の数をそれぞれ解答せよ。
①.私がいいと言うまで扉を開けるな
②.お腰に付けたきびだんご、おひとつ私にくださいな
③.どうか討伐をしてくださいな
回答
①.私がいいと言うまで扉を開けるな
②.お腰に付けたきびだんご、おひとつ私にくださいな
③.どうか討伐をしてくださいな
①. 1つ ②.1つ ③.1つ
以上、終助詞の「な」についての問題でした。今回は、1.終助詞の「な」とはなにか、また2.終助詞の「な」に関する問題を出題しました。終助詞の「な」は、他の終助詞と比較して強い禁止や願望、詠嘆の意を添える要素が強いです。
使い方をしっかり学習することで、お子様への教育であれば、気持ちを表現豊かに伝えられるようになり、すでに大人である場合でも文章や話をわかりやすく魅力的に表現することができるようになると思います。最後までご覧頂きありがとうございました!