今回は、接続詞とは何か、問題や使い方、例を用いて解説していきたいと思います。この記事が、接続詞で悩んでいる方の参考になれれば幸いです。
接続詞とは?
接続詞(せつぞくし)は、前後の文や語句、節をつないだり、関係性を示す日本語の品詞の1つです。活用のない体言で、単独で接続語になる自立語です。例えば、「それで」「しかし」「それから」などが接続詞に当たります。他にも、付属語(前の動詞などに接続する)である接続助詞(から、と、や、て、ば、等)とは区別されたりと、複雑な品詞でもあります。ちなみに、接続詞は、かつて大和言葉で「つなぎことば」と呼ばれていました。
以下では、接続詞の理解を深める目的で問題を2問用意したので、一緒に接続詞を学習していきましょう。
接続詞の問題:2問
最初の問題です。接続詞の入った文を下に記すので、接続詞を探してみましょう。
川から大きな桃が流れて来た。そこで、桃を止めようとしたが、止められなかった。
どの部分が接続詞なのか、お気付きになりましたか?
実は、この文章の「そこで」と「が」が、接続詞にあたります。
川から大きな桃が流れて来た。そこで、桃を止めようとしたが、止められなかった。
次の問題です。下に記す文章の「かっこ( )」の中に、適切な接続詞を入れましょう。
えんぴつは、使うと無くなる。( )、買わなくてはならない。
入れましたか?実は、この( )の中にいくつかの接続詞を入れることができます。例えば、「だから」の場合は、「えんぴつは、使うと無くなる。( だから )、買わなくてはならない。」となります。これは、日本語として不自然ではありませんね。
他にも、「なので」でも、前後の文や語句の関係性はわかります。例:「えんぴつは、使うと無くなる。( なので )、買わなくてはならない。」。また、「となると」でも成立します。例:「えんぴつは、使うと無くなる。( となると )、買わなくてはならない。」このように、接続詞は、同じ文面でも同じように使える種類が多く存在しています。
接続詞の種類
接続詞の種類には「順接/逆接/並列/添加/…etc.」があります。詳しくは「接続詞一覧表」にてまとめていますのでご覧ください。
接続詞の例文
接続詞には、順接(なので、だから、したがって、等)や逆接(しかし、ですが、でも、等)などの種類があります。以下では、この順接と逆接を使った、接続詞の例文をご紹介していきます。
順接
- 私は手を石鹸で洗った。だから、私の手はピカピカだ。
- 僕はグラウンドを一周全力疾走した。なので、息は切れ切れだ。
- 小石を蹴った。すると、遠くに飛んでいった。
逆接
- テストの前日、徹夜で勉強をした。しかし、点数は悪かった。
- 絶対に上手くいくと思っていた。だけど、失敗した。
- 小学生の頃、勉強を頑張らなかった。でも、中学の勉強に付いていけてる
接続詞の特徴は、文の先頭や、句読点のあとに使われることです。これは、前述した通り、接続詞が前後の文と語句をつないだり、関係性を示すために使われるためです。
接続詞の使い方
接続詞の注意点は、文章中に接続詞を使いすぎてしまうことです。論理的な文章では、使いすぎてもあまり問題ありません。例えば、論文など。ですが、一般的な文章では、接続詞を使いすぎることで、文章を読みやすくする役目を持っている接続詞が、かえって文章のつながりや読むリズム、読後感を悪くすることがあります。例えば、ブログやSNS、殊に話し言葉など。
ですので、以下では、文章のつながりや読むリズム、読後感を良くすることを意識して、接続詞の使い方の悪い例と良い例をご紹介していきます。
接続詞を使った悪い例文と良い例文
接続詞は、文章の中でカットされるケースが多くあります。というのは、接続詞がなくても意味の通じる文章が多いためです。ただし、逆接の場合(しかし、ですが、等)は、削ると前後の関係性がいまいち分かりづらくなり、読者の読むリズムが遅くなったり、意味が通じなくなってしまうため、そのまま残すことが多いです。
以下では、接続詞のカットされていない例文と、適当にカットされている例文で、文章の読みやすさや読むリズム、読後感の違いを見ていきましょう。
接続詞のカットされていない例文
ある日の夕暮れとき、少年は、トンボを必死で追いかけていた。なぜなら、少年は、トンボを捕まえようとしていたからだ。しかし、トンボは、スピードがあるため少年の足では、追い付けない。そこで、少年は、どうすればトンボを捕まえられるのか考えた。そして、少年は、思い付いたのだ。トンボは、追いかけると逃げるから、止まっていれば、逃げないと。だから、トンボが近付いてくるのを待った。だけど、トンボは、近付いてこない。そうしている内に、もう夜になってしまいそうだ。なので、今日は、諦めて家に帰ることにした。すると、家の前で父ちゃんがトンボを捕まえていた。
接続詞が適当にカットされている例文
ある日の夕暮れとき、少年は、トンボを必死で追いかけていた。少年は、トンボを捕まえようとしていたからだ。しかし、トンボは、スピードがあるため少年の足では、追い付けない。少年は、どうすればトンボを捕まえられるのか考えた。そして、少年は、思い付いたのだ。トンボは、追いかけると逃げるから、止まっていれば、逃げないと。だから、トンボが近付いてくるのを待った。だけど、トンボは、近付いてこない。そうしている内に、もう夜になってしまいそうだ。今日は、諦めて家に帰ることにした。すると、家の前で父ちゃんがトンボを捕まえていた。
前後を比べると、接続詞をカットしていない例文は、前後の文や語句の関係性がわかるものの、リズムが悪く読みづらいですよね。対して、接続詞を適当にカットしている例文は、接続詞をカットしているものの、前後の関係性や意味もわかり、そして、読みやすさが抜群です。なので、接続詞は、前後の文や語句の関係性を示すのに大事な品詞ですが、多用には注意しましょう。
接続詞と接続語の違い
接続詞には、似ている言葉に「接続語」という言葉があります。実は、この違いがわからないという方も、多いのではないでしょうか?この2つの大きな違いは、接続詞は「品詞」(動詞、形容詞、名詞)で、接続語は「文の成分」(主語、述語、修飾語)だというところです。他にも、接続詞は、単独で接続語になりますが、接続語は、接続助詞を伴って接続の役割を果たす文節という違いがあります。詳しくは「接続詞と接続後の違い」にてまとめていますのでご覧ください。
接続助詞とは
接続助詞は、助詞から派生する種類の1つです。例えば、「ば、から、ても、けれど、と、ので、て、が、ながら」などが接続助詞です。これを体言や用言の後ろに接続すると、接続語になります。さて、以下のどの箇所が、接続助詞でしょうか?
問:種を植えると、芽が出るものもあれば、芽が出ないものもある
どの箇所が接続助詞かわかりましたか?実は、以上の「と」と「あれば」の部分が接続助詞です。
答:種を植えると、芽が出るものもあれば、芽が出ないものもある
そして、接続語は、接続助詞を体言や用言の後ろに接続した言葉なので、以下の部分です。
種を植えると、芽が出るものもあれば、芽が出ないものもある
接続語のポイントは、「すると、ですが」などの接続詞でなくても、体言や用言の後ろに接続助詞を接続することで、接続語になることです。
接続語の例
接続語の例を4つご紹介します。
- 遊んだから(動詞+接続助詞)、疲れた。
- 機械だから(名詞+接続助詞)、壊れにくい。
- 儚いから(形容詞+接続助詞)、美しい。
- 一番だから、(形容動詞+接続助詞)好き。
接続詞に敬語はある?
この記事の読者の中には、「接続詞には、敬語としての使いわけがあるのか?」という疑問があるという方もいらっしゃる思います。が、接続詞の敬語は、特にありません。ただ、注意点はあります。それは、手紙やビジネス文章などの、丁寧な言葉を書く際に使用する接続詞の種類です。以下のような接続詞は、丁寧な書面や文面で使用することを、なるべく避けた方がいいです。
「でも、そのくせ、なので、ので、だから、だって」
あなたが、もし、ビジネス文書で上記のような接続詞を使われたら、一瞬ビックリしてしまうと思いませんか?ビジネス文書は、相手をビックリさせるために送るものではありませんので、丁寧な言葉使いが求められる場面では、以上のような接続詞を使用することを控えましょう。
以上、接続詞とはでした。接続詞は、学ぶだけで大きく文章力を上げてくれます。なので、文章力を上げたいと思っている方は、特に接続詞の学習がおすすめです。この他にも「品詞一覧表」にて品詞について情報をまとめていますのでよろしければご覧ください。最後までお読み頂きありがとうございました!