この記事では、「接続詞と接続語の簡単な違い」と「品詞の側面からの接続詞と接続語の違い」を解説していきたいと思います。接続詞とは、文と文の関係性を表す品詞です。接続詞の詳細は「接続詞とは」をご覧ください。接続語とは、文と文の関係性を表す文の成分です。接続語の詳細は「接続語とは」をご覧ください。
接続詞と接続語の違いをご存知になると、より日本語についてご理解頂けると思います。
まずは、接続詞と接続語の簡単な違いの解説です。
接続詞と接続語の簡単な違い
接続詞と接続語の違いを知るには、双方の上位概念を知るとわかりやすいです。上位概念とは、ある概念の範疇のことです。例えば、りんごであれば、上位概念は「果物」。ピアノであれば、上位概念は「楽器」等です。
では、話を戻して、接続詞と接続語の双方の上位概念はなにかというと、接続詞は「品詞」。接続語は「文の成分」です。「品詞」というのは、単語の機能的な分類を指しています。「文の成分」というのは、文節の機能的な分類を指しています。つまり、簡単に言ってしまうと接続詞と接続語の違いは、「単位の違い」です。
例えば、日常生活では人間のことを「人」と呼ぶことが多いと思います。しかし、考古学などの学問では、現在の人のことを「現生人類」と呼びます。この両者は、どちらも指しているものはほとんど等しく、説明の便宜上、このような使い分けをされています。
このように接続詞と接続語の両者は、非常に似ています。以上で接続詞と接続語の簡単な違いを終了です。しかし、これだけではちょっとわかりづらいというかたがいるかもしれません。なので、次に違う角度から説明していきます。違う角度とは品詞のこと。品詞の側面から両者の違いをみれば違いがわかりやすいと思います。
※ちなみに、日本語の品詞は学校文法で以下の10つに機能的な分類をされています。
- 名詞(代名詞)
- 動詞
- 形容詞
- 形容動詞
- 副詞
- 連体詞
- 感動詞
- 接続詞
- 助詞
- 助動詞
一方、文の成分は、以下の9つに機能的な分類をされます。
- 主語(subject)
- 述語(predicate)
- 目的語(object)
- 接続語
- 同格語(appositive)
- 補語(complement)
- 付加語(adjunct、またはadverbial (副詞類))
- 修飾語(modifier)
- 独立語
では、以下では、品詞の側面から接続詞と接続語の違いをより具体的に解説していきたいと思います。
品詞の側面からの接続詞と接続語の違い
接続語を形成している品詞は、「接続詞」と助詞の一類の「接続助詞」の2つです。接続詞は、「しかし,それとも,なので」などの語があたります。対して、接続助詞は「で,が,ので」などの語があたります。この接続詞と接続詞と接続助詞の違いは、接続語との関係性をみると簡単にわかります。
まずは、接続助詞と接続語の関係性を見ていきましょう。
接続助詞は単独だと接続語と呼ばない
接続助詞は、文と文などを接続する機能を持っていますが、接続語とは呼びません。なぜかというと、接続助詞は、単独でも使える自立語とちがい自立語に付属してその機能を果たす付属語だからです。なので、接続助詞の種類は、「で,が」(詳細は→「接続助詞一覧表」)などいろいろありますが、どれも接続語ではありません。
接続助詞を接続語にする場合には、「動く(動詞)+が(接続助詞)」で→「動いたが(接続語)」など動詞や形容詞などの自立語に付属させることで接続助詞を接続語と呼ぶことができます。
続いて、接続詞と接続語の関係性の紹介です。
接続詞は単独でも接続語と呼ばれる
接続詞の種類には、「しかし,なので,そのため」などの語があることは前述しました。これらの接続詞は、接続助詞とは違い単独でも接続語と呼ばれます。理由は、接続詞は自立語だからです。
以上のように、接続詞と接続助詞では、接続語との関係性の面で違いがあります。そして、今回は、接続詞と接続語の違いを解説してまいりました。まとめると、接続詞と接続語の定義が何を指しているかは、ほとんど一緒です。
ちなみに、接続助詞が絡むとほんのちょっと複雑になります。そして、このような使い分けがされる理由には、言語学の分野別に、説明の可読性を高めるためという認識であっていると思います。
この他にも「接続詞一覧表」にて接続詞についてまとめていますのでよろしければご覧ください。最後までご覧頂きありがとうございました!